ChatGPTでパワーポイント作成を自動化！5つの方法とプロンプト集を徹底解説

1. ChatGPTでパワーポイント作成はここまで効率化できる！

プレゼンテーションの準備に欠かせないパワーポイント（パワポ）作成は、多くのビジネスパーソンにとって日常的な業務ですが、構成を考えたり、各スライドのテキストを作成したりと、意外に時間がかかる作業です。最新のAI技術であるChatGPTを活用することで、こうしたパワポ作成のプロセスを劇的に効率化し、一新することが可能です。

ChatGPTは、アイデア出しからスライドのテキスト作成、さらにはVBAマクロの生成まで、多岐にわたる作業を自動化し、時間を節約する強力なツールとなります。具体的には、プレゼンのテーマを伝えるだけで構成案を作成したり、各スライドの文章を生成したり、さらにはデータを基にしたグラフや表の作成もサポートしてくれます。

これまで手間がかかっていた準備作業をChatGPTに任せることで、本来注力すべきアイデアのブラッシュアップや、より質の高いコンテンツの検討に時間を使えるようになります。これにより、作業時間を大幅に短縮できるだけでなく、資料全体の品質向上も期待できるのです。

2. 【早見表】あなたに合ったパワーポイント作成方法は？5つの手法を徹底比較

ChatGPTを活用したパワーポイント作成には、いくつかの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、あなたの目的やスキル、利用環境に合わせて最適な手法を選ぶことが重要です。

ここでは、代表的な5つの方法を比較し、それぞれの特徴を分かりやすくまとめました。どの方法が自分に合っているか、ぜひチェックしてみてください。

作成方法	手軽さ	料金	カスタマイズ性	必要なスキル
方法1：アドイン	非常に簡単	一部無料/有料	低い	特になし
方法2：VBAマクロ	普通	無料	高い	コピペ操作
方法3：GPTs	簡単	有料	普通	特になし
方法4：Advanced Data Analysis	やや難しい	有料	高い	簡単な指示
方法5：外部AIツール	簡単	無料/有料	普通	特になし

一番手軽に始めたい初心者の方には、PowerPointに直接機能を追加できる「アドイン」がおすすめです。一方で、スライドの内容を細かく調整したい、オリジナリティを出したいという方には、ChatGPTが生成した「VBAマクロ」を利用する方法が高いカスタマイズ性を誇ります。

ChatGPTの有料プランに加入している場合は、パワポ作成に特化した「GPTs」や、直接pptxファイルを生成できる「Advanced Data Analysis」も強力な選択肢となります。さらに、デザイン性を重視するなら、ChatGPTと連携可能な「外部AIツール」の活用も検討してみましょう。

3. 【方法1】アドイン「ChatGPT for PowerPoint」で最も手軽に作成

ChatGPTを使ってパワーポイントを作成する最も手軽な方法は、「ChatGPT for PowerPoint」というアドイン（拡張機能）を利用することです。このアドインをPowerPointに直接追加することで、PowerPointの画面内でAIによるスライド作成が可能になります。

専門的な知識は一切不要で、プレゼンのテーマを伝えるだけでAIが自動でスライドのアウトラインを提案し、テキストを生成してくれます。これから紹介する手順に沿って進めるだけで、誰でも簡単に見栄えのするスライドの土台を作成できるため、特に初心者の方におすすめの方法です。

ステップ1：アドインをインストールする

まずは、お使いのPowerPointに「ChatGPT for PowerPoint」アドインを追加します。

• PowerPointを開き、上部メニューの「挿入」タブをクリックします。
• リボンの中にある「アドインを入手」を選択します。
• 開いた画面の検索窓に「ChatGPT」と入力して検索します。
• 検索結果に表示された「ChatGPT for PowerPoint」を見つけて「追加」ボタンをクリックします。

これでインストールは完了です。ホームタブに新しく追加されたアイコンから、いつでもアドインを呼び出すことができます。

ステップ2：トピックとスライド枚数を指示する

アドインの準備ができたら、早速スライドを作成していきましょう。

• ホームタブから「ChatGPT for PowerPoint」のアイコンをクリックし、画面右側に作業ウィンドウを表示させます。
• 作成したいプレゼンテーションのテーマ（トピック）を入力します。例えば、「ChatGPTの使い方」のように具体的なテーマを入力します。
• 次に、希望するスライドの枚数を設定し、言語を「日本語」に選択します。
• 「Continue」ボタンを押すと、AIがテーマに基づいたスライドのアウトライン（構成案）を提案してくれます。

提案されたアウトラインは、タイトルの変更や順番の入れ替え、不要なスライドの削除などが可能です。内容に問題がなければ、再度「Continue」ボタンを押して次に進みます。

ステップ3：生成されたスライドのデザインを調整する

アウトラインを確定すると、次にデザインのテンプレートを選択する画面に移ります。

• いくつか提示されるテーマの中から、好みのデザインを選びます。マウスカーソルを合わせると、各スライドのイメージが表示されるので参考にしましょう。
• デザインを選択して「Continue」ボタンを押すと、AIが自動でスライドの生成を開始します。
• 生成が完了すると、テキストや画像が配置されたスライドが完成します。

AIが生成したスライドは、あくまでたたき台です。挿入されたテキストや画像が適切でない場合もあるため、PowerPointの「デザイナー」機能などを活用して、より伝わりやすいように内容の修正やデザインの微調整を行いましょう。

4. 【方法2】VBAマクロの自動生成でパワポ作成をカスタマイズ

次にご紹介するのは、ChatGPTにVBA（Visual Basic for Applications）のコードを生成させ、PowerPointの操作を自動化する方法です。VBAはMicrosoft Office製品に搭載されているプログラミング言語で、これを使うとスライドの作成や書式設定といった反復作業を自動化できます。

「プログラミング」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、心配は無用です。ChatGPTに「こんなスライドを作りたい」と日本語で指示するだけで、必要なVBAコードを自動で生成してくれます。この方法を使えば、プログラミングの知識がなくても、より自由度の高い、カスタマイズされたスライド作成が可能になります。

ステップ1：PowerPointでVBA（マクロ）を使えるように設定する

まずはじめに、PowerPointでVBA（マクロ）を実行するための準備を行います。初期設定では、マクロを編集・実行するための「開発」タブが表示されていないため、以下の手順で表示させましょう。

• PowerPointを開き、「ファイル」タブから「オプション」を選択します。
• 「リボンのユーザー設定」を選び、右側の「メインタブ」の一覧から「開発」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
• 次に、マクロのセキュリティ設定を行います。「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」→「セキュリティセンターの設定」の順に進みます。
• 「マクロの設定」で、「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」または、一時的に「すべてのマクロを有効にする」を選択します。（セキュリティリスクを避けるため、作業後は元の設定に戻すことを推奨します）

これで、VBAコードを実行する準備が整いました。

ステップ2：ChatGPTにVBAコードを作成してもらう（プロンプト例あり）

次に、ChatGPTに対して、作成したいスライドの内容を具体的に伝え、VBAコードの生成を依頼します。ここでのポイントは、できるだけ詳細かつ明確に指示を出すことです。

スライドの枚数、各スライドのタイトル、そして箇条書きで記載する本文の内容を具体的に指定することで、より精度の高いコードが生成されます。

【プロンプト例】

以下の条件で、PowerPointのスライドを自動生成するVBAコードを作成してください。

# 条件
– 全5枚のスライドを作成してください。
– 各スライドにはタイトルと本文を配置してください。

# スライドの内容
– スライド1枚目
– タイトル: AIの歴史
– 本文:
– 1950年代: AIの誕生と初期の研究
– 1980年代: エキスパートシステムのブーム
– 2010年代以降: ディープラーニングの発展
– スライド2枚目
– タイトル: AIの主な種類
– 本文:
– 特化型人工知知能（ANI）
– 汎用人工知能（AGI）
– 人工超知能（ASI）
– （スライド3枚目以降も同様に指示）

ステップ3：生成されたコードをVBAエディタに貼り付けて実行する

ChatGPTがVBAコードを生成したら、そのコードをPowerPointに設定して実行します。

• PowerPointの「開発」タブを開き、「Visual Basic」をクリックしてVBAエディタを起動します。（ショートカットキー `Alt + F11` でも開けます）
• VBAエディタのメニューから「挿入」→「標準モジュール」を選択し、新しいコードウィンドウを表示させます。
• 表示されたウィンドウに、ChatGPTが生成したVBAコードをすべてコピー＆ペーストします。
• 貼り付けが完了したら、VBAエディタの上部にある緑色の再生ボタン（▶）をクリックするか、`F5`キーを押してマクロを実行します。

実行すると、指示した内容のスライドが一瞬で自動生成されます。あとは、アドインの方法と同様に、PowerPointの「デザイナー」機能などを使って見た目を整えれば、プレゼンテーションの完成です。

5. 【方法3】GPTsを使って高品質なパワポ資料を作成する（有料）

ChatGPTの有料プラン（Plus、Team、Enterprise）に加入している場合、特定の目的に特化してカスタマイズされたChatGPTである「GPTs」を利用できます。GPT Storeには、パワーポイント作成を効率化するために作られたGPTsが数多く公開されており、これらを使うことで、より専門的で質の高いスライドを簡単に作成することが可能です。

GPTsは、スライドの構成案作成から内容の生成、さらにはデザインの提案まで、プレゼンテーション作成の全般をサポートしてくれます。プログラミングの知識や複雑な操作は不要で、対話形式で指示を出すだけで作業を進められるのが大きな魅力です。

おすすめのPowerPoint作成GPTs 2選

パワポ作成をサポートしてくれるGPTsは多数ありますが、ここでは特におすすめのものを2つご紹介します。

• SlideMaker: 高品質なプレゼンテーションを簡単に作成できる人気のGPTsです。ユーザーが入力した情報をもとに、構造化され、視覚的にも最適化されたスライドを自動で生成してくれます。
• Presentation PRO +: 複数のデザインテンプレートを提供し、PowerPoint（.pptx）形式やPDF形式で高品質なプレゼン資料を生成できるGPTsです。カスタマイズが容易な点も特徴です。

これらのGPTsを活用することで、資料作成の時間を大幅に短縮し、より重要な業務に集中できるようになります。

GPTsを使ったパワポ作成の基本的な手順

GPTsを使ったパワポ作成は、非常にシンプルです。基本的な流れは以下の通りです。

• GPTsを探す: ChatGPTにログインし、サイドバーから「GPTを探す（Explore GPTs）」をクリックしてGPT Storeにアクセスします。検索窓に「Slide」「PowerPoint」などのキーワードを入力し、目的に合ったGPTsを見つけます。
• 対話を開始する: 使いたいGPTsを選び、「チャットを開始する」ボタンをクリックして対話画面を開きます。
• 指示を出す: 作成したいプレゼンテーションのテーマや内容、ターゲット層、スライドの枚数などを具体的にメッセージで送信します。
• 構成案の確認と承認: GPTsが提案するスライドの構成案を確認します。修正が必要な場合は追加で指示を出し、問題がなければ作成を承認します。
• ダウンロードと編集: GPTsが生成したダウンロードリンクから、PowerPointファイル（.pptx）をダウンロードします。ダウンロードしたファイルを開き、必要に応じてPowerPointで直接内容の編集やデザインの調整を行います。

このように、GPTsを使えば専門的なスキルがなくても、対話形式で高品質なプレゼンテーションの土台を素早く作り上げることができます。

6. 【方法4】Advanced Data Analysisでpptxファイルを直接生成する（有料）

ChatGPTの有料プランで利用できる「Advanced Data Analysis」（旧Code Interpreter）は、パワポ作成において非常に強力な機能です。この機能を使うと、ChatGPT上でPythonコードを実行し、その結果としてPowerPointファイル（.pptx）を直接生成・ダウンロードできます。

VBAマクロをPowerPointに貼り付ける手間が不要で、ChatGPTとの対話だけで完結するのが大きなメリットです。データ分析やグラフ作成も得意なため、分析結果をそのままスライドに反映させたい場合などにも非常に役立ちます。

具体的な手順としては、まずChatGPTにどのようなプレゼンテーションを作成したいかを伝えます。その際、「Pythonの`python-pptx`ライブラリを使ってpptxファイルを作成してください」といった指示を加えるのがポイントです。

ChatGPTは指示に基づいてPythonコードを生成し、それを自身の環境で実行します。処理が完了すると、ダウンロードリンクが提示され、クリックするだけで完成したpptxファイルを入手できます。生成されたファイルはテキストベースのシンプルなものですが、ここからPowerPointのデザイナー機能などを使って見栄えを整えることで、効率的に資料を完成させることが可能です。

7. 【方法5】外部AIツールを活用してデザイン性の高いパワポを作成する

ChatGPTだけでなく、世の中にはプレゼンテーション資料の作成に特化したAIツールが数多く存在します。これらのツールは、ChatGPTがテキスト生成を得意とするのに対し、デザイン性の高いスライドの自動生成や、より直感的な操作性に強みを持っています。

キーワードや簡単な文章を入力するだけで、AIが自動でデザインや構成を考え、プロが作成したような見栄えの良いスライドを瞬時に生成してくれます。テンプレートの種類も豊富で、デザインの知識がなくても高品質な資料を作成できるのが大きな魅力です。

作業時間を大幅に短縮できるだけでなく、資料の品質向上も期待できるため、デザインにこだわりたい方や、より効率的に作業を進めたい方におすすめの方法です。

おすすめのパワポ作成AIツール3選

数ある外部AIツールの中から、特におすすめの3つのツールをご紹介します。それぞれ特徴が異なるため、ご自身の目的に合ったものを選んでみてください。

• Gamma (ガンマ)
  AIを活用してプレゼン資料やWebサイトなどを簡単に作成できるツールです。テキストを入力するだけで、内容に合ったデザインや画像をAIが自動で提案・生成してくれます。豊富なテンプレートが用意されており、編集機能も充実しているため、独自性を出しやすいのが特徴です。
• Tome (トーム)
  プレゼン資料の作成に特化したAIツールで、簡単なテキスト入力から、AIが文章と画像を自動で生成してくれます。特にストーリーテリングを重視しており、論理的なつながりを保った一貫性のある構成を自動で提案してくれるのが強みです。日本語にも対応しており、無料で使い始めることができます。
• Beautiful.ai (ビューティフル・エーアイ)
  「美しさ」にこだわったプレゼン資料を作成できるAIツールです。豊富なテンプレートが用意されており、テキストや画像を追加するだけでAIが自動でレイアウトを最適化してくれます。直感的な操作で、誰でも簡単に洗練されたデザインのスライドを作成できるのが魅力です。

これらのツールは、多くが無料プランを提供しているため、まずは気軽に試してみて、その便利さを体感してみるのがおすすめです。

8. 【コピペOK】ChatGPTを使ったパワポ作成が捗るプロンプト集

ChatGPTで質の高いパワポ資料を作成するためには、具体的で分かりやすい指示（プロンプト）を出すことが非常に重要です。ここでは、パワポ作成の各ステップでそのまま使える、便利なプロンプトのテンプレートをご紹介します。

これらのプロンプトをコピー＆ペーストし、[ ]の中身をあなたの目的に合わせて書き換えるだけで、すぐに活用できます。

構成案を作成するためのプロンプト

プレゼンテーションの骨子となる構成案を作成する際には、テーマや目的、ターゲットなどを明確に伝えることが大切です。

あなたはプロのプレゼン資料作成コンサルタントです。
以下の要件に基づき、プレゼンテーションの構成案をスライド形式で提案してください。

# プレゼンテーションの要件
– テーマ: [例：新人研修向けビジネスマナー講座]
– 聞き手: [例：社会人経験1年未満の新入社員]
– 目的: [例：ビジネスマナーの基本を理解し、明日から実践できるようにする]
– 全体のトーン: [例：丁寧で分かりやすく、親しみやすいトーン]
– スライド枚数: 全[例：10]枚程度

# 出力形式
各スライドの「タイトル」と「記載する内容の要点（箇条書き）」をセットで出力してください。

各スライドの本文を作成するためのプロンプト

構成案が決まったら、次はその構成案に基づいて各スライドの具体的な本文を作成させます。

先ほど作成していただいた構成案に基づき、各スライドの本文を箇条書きで作成してください。

# 条件
– 1つの箇条書きは、[例：50]文字程度の簡潔な文章にしてください。
– 専門用語は避け、[例：新入社員]にも理解できる平易な言葉を使ってください。
– 各スライドの最後には、内容を一行でまとめた「まとめ」を入れてください。

VBAコードを生成するためのプロンプト

構成案と本文が固まったら、それらをPowerPointに自動で反映させるためのVBAコードを生成させます。

以下のスライド構成と内容で、PowerPointのスライドを自動生成するVBAコードを作成してください。

# スライド構成と内容
（ここに、ChatGPTが生成した、あるいは自分で確定させたスライドのタイトルと本文を貼り付ける）

# VBAコードの条件
– スライドサイズは「16:9」に設定してください。
– 各スライドの1枚目にタイトルスライドを挿入し、タイトルは「[例：新人研修向けビジネスマナー講座]」、サブタイトルは「[例：株式会社〇〇]」としてください。

これらのプロンプトをうまく活用することで、パワポ作成のプロセスを大幅に自動化し、効率化することができます。

9. ChatGPTでパワポを作成する3つのメリット

ChatGPTを活用してパワーポイントを作成することには、単に作業が楽になるだけでなく、資料の質を高め、新たなアイデアを生み出すといった多くのメリットがあります。ここでは、その中でも特に注目すべき3つのメリットをご紹介します。

メリット1：作業時間の大幅な短縮

最大のメリットは、なんといっても作業時間の大幅な短縮です。従来、情報収集から構成案の作成、スライド本文の執筆、デザインの調整まで、多くの時間と労力を要していた作業をAIが代行・サポートしてくれます。

特に、ゼロから構成を考える時間や、各スライドの文言を練る時間を大幅に削減できるため、本来時間をかけるべき内容の精査やプレゼンの練習といったコア業務に集中できるようになります。これにより、全体の生産性が大きく向上します。

メリット2：資料の品質向上とアイデアの創出

ChatGPTは、膨大なデータを学習しているため、自分一人では思いつかないような多角的な視点からアイデアや構成案を提案してくれます。これにより、資料の内容がより豊かになり、品質の向上が期待できます。

また、グラフやイラストの作成もサポートしてくれるため、データを効果的に可視化し、説得力のある資料作りにも貢献します。デザインスキルに自信がない人でも、AIの力を借りることで、プロフェッショナルな見栄えの資料を簡単に作成できるのです。

メリット3：デザインや構成の客観的な提案

自分で資料を作成していると、どうしても主観的になりがちで、構成が独りよがりになってしまうことがあります。その点、ChatGPTは客観的な第三者の視点で、論理的で分かりやすい構成を提案してくれます。

AIが提案する構成案をベースにすることで、誰にとっても理解しやすく、説得力のあるストーリーラインを構築しやすくなります。これにより、プレゼンテーション全体の質を高めることができるのです。

10. ChatGPTでパワポを作成する際の3つの注意点

ChatGPTはパワーポイント作成において非常に強力なツールですが、その利便性の裏にはいくつかの注意点も存在します。AIを安全かつ効果的に活用するためにも、以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。

機密情報や個人情報を入力しない

ChatGPTに入力したデータは、AIモデルの学習に利用される可能性があります。そのため、業務で利用する際には、会社の内部情報や取引先の機密情報、顧客の個人情報などを絶対に入力しないように徹底しましょう。

情報漏洩のリスクを避けるため、社内でChatGPTの利用に関するガイドラインを策定し、全従業員で共有することが重要です。あくまで公開されても問題のない情報のみを扱うように心がけてください。

生成された情報のファクトチェックを必ず行う

ChatGPTは、時に「ハルシネーション（幻覚）」と呼ばれる、事実に基づかないもっともらしい嘘の情報を生成することがあります。そのため、AIが生成した情報を鵜呑みにせず、必ず信頼できる情報源でファクトチェック（事実確認）を行う必要があります。

特に、統計データや専門的な情報、最新のトピックなどを扱う場合は注意が必要です。最終的な情報の正確性については、利用者が責任を持つという意識を常に持っておきましょう。

著作権や引用ルールを遵守する

ChatGPTが生成する文章やアイデアは、インターネット上の膨大なテキストデータを学習した結果です。そのため、意図せず既存の著作物と類似したコンテンツが生成される可能性もゼロではありません。

生成されたコンテンツを、特に商用目的で利用する際には、著作権を侵害していないかを確認することが重要です。また、外部のデータや文献を参考にした場合は、適切に引用元を明記するなど、基本的なルールを遵守するようにしましょう。

11. よくある質問（FAQ）

ここでは、ChatGPTを使ったパワーポイント作成に関して、多くの方が抱える疑問についてQ&A形式でお答えします。

無料でChatGPTを使ってパワポは作れますか？

はい、無料版のChatGPTでもパワーポイント作成の大部分を効率化することが可能です。

具体的には、プレゼンテーションの構成案の作成、各スライドに記載する文章の生成、そして本記事で紹介したVBAコードの生成といった作業は、無料版のChatGPTで十分に行うことができます。

ただし、より高度な機能を持つ「GPTs」や「Advanced Data Analysis」の利用、PowerPointに直接機能を追加できる一部の「アドイン」については、有料プラン（ChatGPT Plusなど）への加入が必要になる場合があります。

生成したVBAマクロでエラーが出た場合はどうすればいいですか？

ChatGPTが生成したVBAマクロが、PowerPointのバージョンや設定の違いなどによってエラーを起こすことがあります。

もしエラーが発生した場合は、表示されたエラーメッセージをコピーし、再度ChatGPTに「以下のエラーメッセージが表示されました。コードを修正してください。」といった形で指示を出してみてください。多くの場合、ChatGPTがエラーの原因を分析し、修正したコードを提案してくれます。

日本語でも問題なく使えますか？

はい、ChatGPTは非常に高いレベルで日本語に対応しているため、プレゼンテーションの作成においても問題なく使用できます。

自然で分かりやすい日本語の文章を生成できるため、日本のビジネスシーンでも十分に活用できます。ただし、非常に専門的な用語や、特定の業界でしか使われない特殊な表現については、意図した通りに伝わらない可能性もあります。その場合は、プロンプト（指示文）でより丁寧な説明を加えるなどの工夫をすることで、精度を高めることができます。

12. まとめ：ChatGPTを活用してパワポ作成を次のレベルへ

この記事では、ChatGPTを使ってパワーポイントの作成を自動化・効率化するための5つの具体的な方法と、それぞれのメリット、注意点について詳しく解説してきました。

ChatGPTは、単にテキストを生成するだけでなく、プレゼンテーションの構成案作成からVBAコードの自動生成、さらには専用のGPTsや外部ツールとの連携に至るまで、パワポ作成のあらゆる場面で強力なアシスタントとなります。これまで多くの時間を費やしていた資料作成のプロセスを大幅に短縮し、創出された時間でより本質的な業務に集中することが可能になります。

もちろん、AIが生成した内容を鵜呑みにせず、ファクトチェックや著作権への配慮を怠らないといった注意点も重要です。しかし、これらのポイントさえ押さえれば、ChatGPTはあなたのプレゼンテーションの質と生産性を飛躍的に向上させてくれるでしょう。

今回ご紹介した方法の中から、ご自身のスキルや目的に合ったものを選び、ぜひ一度試してみてください。AIとの協働によって、あなたのパワポ作成は次のレベルへと進化するはずです。