Google AI Studioとは？Geminiとの違いも解説
Google AI Studioは、Googleが提供する最新のAIモデル「Gemini」などをブラウザ上で手軽に試せる無料のプロトタイピングツールです。
開発者向けのプラットフォームでありながら、プログラミングの知識がなくても直感的なインターフェースでAIの機能を試せるのが大きな特徴です。Google AI Studioは無料で使えるAIプロトタイピングツール
Google AI Studioは、Googleアカウントとウェブブラウザさえあれば、誰でもすぐに無料で利用を開始できる画期的なサービスです。
文章の作成や要約といったテキストベースのタスクはもちろん、画像、音声、動画といった多様なデータを活用したAIのプロトタイプ（試作品）を簡単に作ることができます。
一般向け「Gemini」との違いは？開発者向け機能の豊富さ
普段私たちが「Gemini」と呼んでいるAIチャットサービスは、どちらかというと一般ユーザー向けです。
それに対して、Google AI Studioは開発者がAIを自分のアプリやサービスに組み込むことを見据えた、より高度な機能が充実しています。
例えば、AIの応答のクリエイティビティを調整したり、作成したAI機能を自身のアプリに組み込むための「APIキー」という特別な鍵を発行したりする機能が簡単に使えます。
【2025年最新】Google AI Studioでできること一覧
Google AI Studioは、単にAIとチャットするだけのツールではありません。
最新のAI技術を駆使して、テキスト生成からマルチメディアコンテンツの作成、さらには簡単なWebアプリケーションの構築まで、幅広い機能を備えた統合プラットフォームへと進化しています。
高性能なAIチャット（Gemini 1.5 Pro）
Google AI Studioでは、Googleが誇る最新かつ高性能なAIモデル「Gemini 1.5 Pro」を無料で利用できます。
このモデルは一度に非常に長い文章（最大100万トークン）を読み解くことができ、複雑な質問に答えたり、精度の高い文章を生成したりする能力に長けています。
画像・動画・音楽の生成（Imagen 3, Veo 2, Lyriaなど）
Googleは、テキストから高品質な画像を生成する「Imagen 3」や、リアルな動画を作る「Veo 2」、音楽を生成する「Lyria」といった、クリエイティブな作業を支援する専門モデルも開発しています。
これらのモデルは、現時点（2025年7月）でGoogle AI Studioに標準搭載されているわけではありませんが、開発者向けの「Vertex AI」というプラットフォームで利用可能であったり、将来的にAI Studioへ統合されたりする可能性を秘めています。
ファイルやURLを読み込んで分析・要約
テキストファイル（.txt）だけでなく、PDF、画像、音声、動画ファイルなどを直接アップロードして、その内容をAIに分析・要約させることができます。
また、ウェブページのURLを指定するだけで、そのページに書かれている内容を読み込ませて、必要な情報を整理させることも可能です。
プロンプトだけでWebアプリを自動構築（Build with Gemini）
「Build with Gemini」は、Googleが開発する非常に革新的な機能です。
これは、作りたいWebアプリの概要をテキストで指示するだけで、AIが自動でプログラムコードを生成してくれるというものですが、注意点として、この機能はGoogle AI Studioではなく「Project IDX」というWebベースの開発環境で提供されています。
GoogleのAIエコシステムが持つ強力な機能の一例として知っておくと良いでしょう。
リアルタイム音声・映像対話（Stream）
Gemini APIには「ストリーミング」という、AIの応答を途切れさせずに順次返す技術が備わっています。
これにより、開発者はAIとの対話がスムーズに進んでいるかのような、リアルタイム性の高いアプリケーションを構築することが可能です。
Googleのデモで披露されたような高度な音声・映像対話は、この技術を応用したものであり、将来的にGoogle AI Studioの標準機能として搭載されることが期待されます。
Google AI Studioの料金体系｜無料でどこまで使える？
Google AI Studioは、基本的な機能を無料で試すことができますが、APIを利用して本格的な開発を行う場合は料金が発生します。
ここでは、その料金体系について分かりやすく解説します。
基本利用は無料！各モデルの無料枠
Google AI Studioをウェブブラウザ上で試すだけであれば、料金は一切かかりません。
中心的なAIモデルである「Gemini 1.5 Pro」には、1分あたり2リクエスト（RPM）、1日あたり50リクエストといった無料利用枠が設定されています。
個人が機能を試したり、簡単なプロトタイプを開発したりするには十分な量と言えるでしょう。
API利用は従量課金制｜主要モデルの料金目安
APIを利用して自身のアプリケーションにAI機能を組み込む場合は、使った分だけ料金を支払う「従量課金制」となります。
料金はモデルの種類や処理するデータの量（トークン数）によって変動しますが、他のAIサービスと比較しても競争力のある価格設定が魅力です。（※2025年7月時点の料金。最新情報は公式サイトをご確認ください）
| モデル | 入力（100万トークンあたり） | 出力（100万トークンあたり） |
|---|---|---|
| Gemini 1.5 Flash | 0.35ドル | 1.05ドル |
| Gemini 1.5 Pro | 3.5ドル | 10.50ドル |
【画像で解説】Google AI Studioの始め方と基本的な使い方
ここからは、Google AI Studioを実際に使い始めるための手順と、基本的な画面操作について分かりやすく解説します。
複雑な手順は一切なく、誰でもすぐに始められます。
30秒で完了！Googleアカウントでログイン
Google AI Studioを始めるのに、特別な登録手続きは必要ありません。
公式サイトにアクセスし、普段使っているGoogleアカウントでログインするだけで、すぐに利用を開始できます。
基本画面の見方（機能選択・プロンプト・モデル設定）
Google AI Studioの画面は、大きく分けて3つのエリアで構成されています。
画面の左側で「チャット」や「画像生成」などの使いたい機能を選択し、中央の大きなエリアにAIへの指示（プロンプト）を入力します。
そして、右側のパネルで利用するAIモデルの種類や、応答のランダム性を調整する「Temperature」などの細かい設定を行います。
【実践】プロンプトを入力してAIと対話してみよう
まずは基本となるチャット機能を使ってみましょう。
画面中央の入力欄に、AIへの質問やお願いしたいことを日本語で自由に入力し、「実行」ボタンをクリックするだけです。
AIが即座に回答を生成してくれます。
APIキーの取得方法
開発者向けの機能であるAPIキーも、画面上から非常に簡単に取得できます。
画面の左上にある「APIキーを取得」というボタンをクリックし、表示される画面の指示に従うだけです。
数クリックで、あなたのアプリにAIを組み込むためのAPIキーが発行されます。
【目的別】Google AI Studioのモデルと選び方
Google AI Studioでは、様々な特徴を持つAIモデルが提供されており、やりたいことに応じて最適なモデルを使い分けることが重要です。
高性能な「Gemini」シリーズ
「Gemini」シリーズは、Google AI Studioの心臓部ともいえる高性能モデル群です。
特に「Gemini 1.5 Pro」は、非常に長い文章の読解や複雑なタスクの処理に優れており、どんな場面でも活躍できる汎用性の高さが魅力です。
一方、「Gemini 1.5 Flash」は、Proに比べて少し性能は劣りますが、その分高速かつ低コストで利用できます。
軽量・オープンソースな「Gemma」シリーズ
「Gemma」は、Googleが開発したオープンソース（設計図が公開されている）の軽量AIモデルです。
誰でも無料でダウンロードでき、商用利用も可能なため、コストを抑えながらAI開発を行いたい場合や、手元のコンピュータでAIを動かしたい場合に適しています。
画像・動画・音楽の生成に特化したモデル（Imagen, Veo, Lyriaなど）
クリエイティブな用途には、それぞれの分野に特化した専門モデルが用意されています。
写真のようにリアルな画像を生成する「Imagen」、テキストから動画を生成する「Veo」、そして音楽を自動生成する「Lyria」などがあり、専門的なコンテンツ作成を力強くサポートしてくれます。
Google AI Studioの具体的な業務活用例
Google AI Studioの豊富な機能は、様々なビジネスシーンで業務の効率化や新しいアイデアの創出に貢献します。
ここでは、具体的な活用例をいくつかご紹介します。
大容量のPDF資料や議事録の要約
何十ページにも及ぶPDF形式の報告書や、長時間の会議の音声データをアップロードするだけで、AIが瞬時に内容を把握し、重要なポイントをまとめたサマリーを作成してくれます。
これまで情報収集や内容の理解にかけていた時間を大幅に短縮できます。
YouTube動画の内容を文字起こし＆翻訳
気になるYouTube動画のURLを貼り付けるだけで、動画内の話し言葉を自動で文字起こしし、さらにその内容を日本語や他の言語に翻訳することも可能です。
海外の最新情報などを、言語の壁を感じることなく手軽にキャッチアップできます。
簡単な業務ツールのプロトタイプ作成
「Build with Gemini」機能を使えば、プログラミングの知識がなくても簡単な業務効率化ツールの試作品を作ることができます。
例えば「アップロードされた領収書の情報を読み取って、日付や金額を表にまとめるツール」といったアイデアを、すぐに形にして試すことが可能です。
Google AI Studioを利用する上での注意点
非常に便利で強力なGoogle AI Studioですが、利用する際にはいくつか知っておくべき注意点があります。
安全に活用するためにも、必ず目を通しておきましょう。
無料版では入力データが学習に使われる可能性
無料版のGoogle AI Studioでは、入力したプロンプトやアップロードしたファイルの内容が、GoogleのAIモデルの性能を向上させるための学習データとして利用される可能性があります。
会社の機密情報や、お客様の個人情報など、外部に漏れてはいけないデータは絶対に入力しないようにしましょう。
APIの無料枠には上限がある
APIを無料で利用できる範囲には、一定の期間内に利用できる回数などの上限が設けられています。
本格的なサービス開発などで上限を超えて利用する場合は、有料プランへの切り替えが必要になるため、利用状況を定期的に確認することが大切です。
試験的な機能は変更・廃止されることがある
Google AI Studioで提供されている機能の中には、まだ実験的な段階（ベータ版）のものも含まれています。
これらの機能は、将来的に仕様が大きく変更されたり、場合によっては提供が終了したりする可能性があることを頭の片隅に置いて利用する必要があります。非常に便利で強力なGoogle AI Studioですが、利用する際にはいくつか知っておくべき注意点があります。
安全に活用するためにも、必ず目を通しておきましょう。
無料版では入力データが学習に使われる可能性
無料版のGoogle AI Studioでは、入力したプロンプトやアップロードしたファイルの内容が、GoogleのAIモデルの性能を向上させるための学習データとして利用される可能性があります。
会社の機密情報や、お客様の個人情報など、外部に漏れてはいけないデータは絶対に入力しないようにしましょう。
APIの無料枠には上限がある
APIを無料で利用できる範囲には、一定の期間内に利用できる回数などの上限が設けられています。
本格的なサービス開発などで上限を超えて利用する場合は、有料プランへの切り替えが必要になるため、利用状況を定期的に確認することが大切です。
試験的な機能は変更・廃止されることがある
Google AI Studioで提供されている機能の中には、まだ実験的な段階（ベータ版）のものも含まれています。
これらの機能は、将来的に仕様が大きく変更されたり、場合によっては提供が終了したりする可能性があることを頭の片隅に置いて利用する必要があります。
まとめ：Google AI Studioで最新AIを手軽に活用しよう
Google AI Studioは、Googleが誇る世界最先端のAI技術を、開発者だけでなく、あらゆる人が手軽に、そして基本無料で体験できる非常に強力なプラットフォームです。
アイデア次第で、仕事の効率化からクリエイティブな創作活動まで、その可能性は無限に広がります。
本記事で紹介した使い方や活用例を参考に、ぜひあなたもGoogle AI Studioの驚くべき世界に触れ、未来のテクノロジーを実感してみてください。